玄米の残留農薬とは?

言葉は聞いたことがあっても、「具体的にどのようなもの?」「なぜ危険視されているの?」「白米とはどう違うの?」など、正確に理解している方は少ないかもしれません。
この章では、残留農薬に関する基本的な知識を3つのポイントに分けて解説します。
- 残留農薬とは
- 残留農薬が危険な理由
- 玄米と白米の残留農薬の違い
まずは残留農薬そのものについて正しく知り、玄米を食べる上での不安を解消していきましょう。
残留農薬とは
残留農薬とは、農作物を育てる過程で使われた農薬の成分が、収穫された後も食品中に残っている状態のものを指します。
農薬は、病気や害虫から作物を守るために栽培時に散布されますが、散布後すぐにすべての成分が消えてなくなるわけではありません。
日本では、食品に残った農薬の量が健康に影響を及ぼさないよう、食品安全委員会が科学的な根拠に基づいてリスク評価を行っています。
この基準値は、人が一生涯にわたって毎日摂取し続けても安全と判断される量である「一日摂取許容量(ADI)」を超えないように定められており、市場に流通する食品の安全性は確保されています。
ただし、すべての食品に対して検査が義務付けられているわけではないため、農薬の使用が気になる方は、栽培方法に配慮された商品を選ぶのがおすすめです。
なお、厚生労働省が食品ごとに残留基準値を設定しています。
残留農薬|厚生労働省
残留農薬が危険な理由
残留農薬が危険視される主な理由は、長期間にわたって摂取し続けることで、体に影響を及ぼす可能性があるからです。
農薬の成分は、散布後すぐに分解されたり洗い流されたりするわけではなく、作物の内部に浸透して蓄積される場合があります。
国の基準値は安全性を考慮して設定されていますが、基準値以下の摂取であっても、長期的に体内に取り込まれ続けることへの懸念が指摘されることもあります。
また、農薬の影響は人体だけに留まりません。散布された農薬の一部は、土壌や河川、大気中へと広がり、生態系全体に影響を与える可能性も考えられます。このように、自分自身の健康だけでなく、環境への配慮という観点からも、残留農薬は注目される問題です。
玄米と白米の残留農薬の違い
玄米は白米と比較して、米の構造が異なるため、残留農薬が多くなる傾向があります。
多くの農薬は油に溶けやすい「脂溶性」の性質を持っています。玄米には「ぬか層」や「胚芽」といった米の油分の多い部分が残されているため、これらの部分に農薬が付着・蓄積されやすくなります。
一方、白米はぬかや胚芽を削り取る「精米」という工程を経ています。農林水産省の調査によると、精米によって米の残留農薬の7〜8割は除去されるとされています。しかし、精米しても農薬が完全にゼロになるわけではありません。
したがって、残留農薬をできるだけ避けたい場合は、白米を選ぶよりも、玄米の栽培方法に注目することが大切です。
農薬の使用を抑えた「有機JASマーク」の付いた商品や、残留農薬検査の結果を公開している商品を選ぶと、より安心して食べられます。
関連記事:栽培期間中農薬不使用の玄米とは?メリット・デメリット・購入時の4つのポイントをご紹介
玄米の残留農薬を洗う・落とす方法

玄米を食べるにあたり、「少しでも農薬を減らしたい」と考える方もいるでしょう。家庭でできる対策として、洗い方や浸漬の方法を工夫することが挙げられます。
この章では、玄米の残留農薬を減らすための具体的な方法を2つ紹介します。
- 米同士をこすり合わせるように洗う
- 6時間は浸漬を行う
これらのひと手間を加えることで、より安心して玄米を食べられます。さっそく、具体的な手順を見ていきましょう。
米同士をこすり合わせるように洗う
玄米の残留農薬を減らすための一つ目の方法は、米同士を優しくこすり合わせるように洗うことです。
まず、ボウルに入れた玄米に水を注ぎ、ゴミやホコリを浮かせて軽くすすぎます。その後、水を切った状態で、両手で玄米をすくうように持ち、拝むような形で米粒同士を優しくこすり合わせましょう。この作業を2〜3回繰り返します。
この洗い方の目的は、玄米の表面に意図的に細かい傷をつけることです。表面に傷がつくことで、水が内部に浸透しやすくなり、後の浸漬工程で農薬成分が水に溶け出しやすくなります。
白米のように水が濁るまでゴシゴシと研ぐ必要はありません。あくまで表面に傷をつけるイメージで、優しく洗うのがポイントです。
玄米をよりおいしく炊き上げるための具体的な手順やコツを知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:玄米の正しい研ぎ方は?美味しく食べるための3つのコツや手軽に食べられる玄米を紹介
6時間は浸漬を行う
玄米を洗った後は、たっぷりの水に6時間以上浸す「浸漬(しんせき)」を行いましょう。
こすり洗いをした玄米をボウルに入れ、たっぷりの水を加えて、夏場は6時間、冬場は7〜8時間を目安に浸します。ぬるま湯を使うと、より吸水が進みやすくなります。
浸漬することで玄米の表面が柔らかくなり、水分を十分に吸収します。この過程で、表面や内部に付着していた水溶性の農薬成分が水に溶け出してきます。
炊飯する前には、浸漬に使った水は必ず捨てて、新しい水で炊きましょう。
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おうちに届くまでどんな品種が来るかわからないワクワク感が魅力です。
農薬を避けて玄米を選ぶための3つのポイント

購入時に少し意識するだけで、農薬のリスクを避けられます。以下の3つの基準を確認しましょう。
- 自然栽培・有機栽培の玄米を選ぶ
- 残留農薬検査済みの玄米を選ぶ
- 田んぼの周囲環境を確認する
信頼できる玄米を見極める目を養うことが、家族の健康を守る第一歩です。
自然栽培・有機栽培の玄米を選ぶ
最も安心感が高いのは、栽培期間中に農薬を使用していない玄米を選ぶ方法です。
自然栽培の玄米は、農家が手作業で草取りを行うなど、多くの手間がかかっています。そのため価格は高めになりますが、安心という付加価値を得ることができます。
また「有機JASマーク」が付いた商品は、国が認めた厳しい基準をクリアしている証拠であるため、購入する際に確認してみてください。
残留農薬検査済みの玄米を選ぶ
販売店やメーカーが独自に行っている残留農薬検査の結果を確認しましょう。商品パッケージや公式サイトに「残留農薬不検出」と記載されている玄米は、信頼性が高いといえます。不検出とは、検査機器が感知できる限界値よりも農薬が少ないことを意味します。
農林水産省は、自主的な検査を推奨しています。特に玄米を専門に扱うショップでは、ロットごとに検査を行うなど徹底した管理をしている場合が多いです。
田んぼの周囲環境を確認する
玄米の産地や、周囲の田んぼの環境にも注目しましょう。農薬を一切使っていない田んぼでも、隣の田んぼから農薬が風で飛んできたり、用水路から流れ込んだりするリスクがあるからです。山間部にある独立した田んぼや、地域全体で有機栽培に取り組んでいる場所は、周囲からの影響を受けにくくなります。生産者がホームページなどで、水系の管理状況や立地条件を公開しているか確認してみましょう。
立地条件まで考慮している生産者は、商品に対して非常に高い意識をもっています。情報の透明性が高い生産者から購入することで、不安を取り除くことができます。
生産者から玄米を直接買うときの注意点
農家から直接買う玄米は新鮮ですが、特有の注意点があります。家庭での炊飯に影響する部分を確認しましょう。
- 未調整玄米に多い混入物の問題
- 農家が玄米調整をしない理由
- 無農薬玄米こそ「調整」が必要な理由
未調整の玄米を買う際は、以下の内容を理解しておく必要があります。
未調整玄米に多い混入物の問題
農家から直接届く玄米には、小さなお石や雑草の種、虫に食べられたお米が混ざっている場合があります。これらは「未調整米」と呼ばれ、出荷前の選別作業が十分に行われていない状態です。
特に石が混じっていると、炊飯器を傷つけたり、食べたときに歯を痛めたりする恐れがあります。また、見た目が黒いお米や未熟な青いお米が多いと、炊き上がりの味や食感が落ちてしまいます。
食べる前に自分でお米を広げ、異物がないか目視で確認する手間が必要です。健康被害はありませんが、おいしく食べるためには必要なポイントです。
農家が玄米調整をしない理由
多くの農家が玄米調整を行わないのは、高額な選別機械を導入するのが難しいからです。石抜き機や色彩選別機(お米の色を判別して異物を飛ばす機械)は非常に高価で、個人農家には負担が大きくなります。
また、農家自身は玄米ではなく白米にして食べることが一般的です。精米所にある機械を通せば石や汚れは自動で取り除かれるため、玄米の状態で完璧に綺麗にする必要性を感じていないケースもあります。
家庭で玄米のまま食べる消費者が増えている現状と、農家のこれまでの習慣にはギャップが存在します。直接購入する場合は、調整済みかどうかを確認することが大切です。
自然栽培玄米こそ「調整」が必要な理由
玄米の調整は、おいしさを保つためにも不可欠な工程です。自然栽培では除草剤を使わないため、どうしても雑草の種や虫食い米が発生しやすくなります。
異物を機械や手作業で取り除くことで、ようやく安心して食べられる商品になります。高品質な玄米を販売する業者は、専用の設備で何度も調整を繰り返し、異物混入率を極限まで下げているのです。
「玄米は洗えば大丈夫」という考えもありますが、石や異物は洗うだけでは取り除けません。手間を惜しまず調整された玄米を選ぶことが、快適な玄米生活につながります。
玄米を洗って残留農薬を落とす場合の注意点

玄米を丁寧に洗ったり長時間水に浸したりすることで、ある程度の農薬を減らすことは期待できますが、残留農薬を完全に取り除けるわけではありません。
農薬の多くが脂に溶けやすい性質があるため、脂質を豊富に含むぬかや胚芽の内部にまで浸透している場合があります。
表面の農薬は水洗いで流れ落ちやすいですが、内部に留まっている農薬は水洗いだけでは除去が困難です。
また、精米や加熱調理によっても農薬の量は減りますが、家庭での下準備だけで農薬をゼロにすることは難しいでしょう。だからこそ、残留農薬のリスクを根本から減らすためには、購入する玄米そのものの選び方が重要になります。
残留農薬が心配な方には「有機農産物」「特別栽培農産物」がおすすめ

市場に流通している食品は、国の基準値を超えないように管理されていますが、「それでも農薬はできるだけ避けたい」と感じる方もいるでしょう。
そのような方には、農薬や化学肥料の使用を厳しく制限した方法で栽培されたお米を選ぶことをおすすめします。
具体的には、「有機農産物」と「特別栽培農産物」という表示が目印になります。これらの農産物は、生産方法や表示に関して国が明確なルールを定めており、消費者が安心して選べる仕組みが整っています。
有機農産物
「有機農産物」は、農薬や化学肥料に頼らないことを基本とした、持続可能な農業で生産された食品です。一般的に「オーガニック」とも呼ばれます。
有機農産物と表示するためには、国の定める「有機JAS規格」という非常に厳しい基準をクリアしなくてはなりません。主な基準は以下の通りです。
- 化学的に合成された肥料や農薬の使用を避ける
- 遺伝子組換え技術を利用しない
- 種まきや植え付けの2年以上前から、禁止された農薬や化学肥料を使用していない水田や畑で栽培する
これらの基準を満たしているかどうかを第三者の登録認証機関が厳しく検査し、合格した製品にのみ「有機JASマーク」の表示が許可されます。このマークは、国が定めた厳しい基準をクリアした、信頼できる有機農産物の証です。
【有機農業関連情報】トップ ~有機農業とは~:農林水産省
特別栽培農産物
「特別栽培農産物」とは、栽培された地域の一般的な栽培方法と比較して、農薬の使用回数と化学肥料の窒素成分量を、どちらも50%以下に減らして生産された農産物です。
農薬を全く使用しないわけではありませんが、慣行栽培に比べて使用量を大幅に抑えているのが特徴です。農薬を一切使用しないで栽培した場合は、「栽培期間中 農薬不使用」といった表示が認められています。
有機農産物のような第三者による認証制度は必須ではありません。しかし、表示するためには農林水産省が定めた「特別栽培農産物に係る表示ガイドライン」を遵守する必要があります。
このガイドラインには、節減対象農薬や化学肥料の使用状況などを消費者に分かりやすく情報提供するルールが定められており、透明性の高い表示が求められます。
特別栽培農産物に係る表示ガイドライン:農林水産省
関連記事:栽培期間中に無農薬の玄米がおすすめの理由とは?玄米5選を解説
おすすめの「有機農産物」「特別栽培農産物」玄米商品
農薬の使用を抑えた玄米を選びたいと思っても、多くの商品があってどれが良いか迷ってしまうかもしれません。
ここでは、有機栽培や自然栽培にこだわった玄米を扱うブランドmybrownを紹介します。
mybrown 発芽玄米|全国の契約農家による有機・自然栽培
mybrownは、全国の契約農家が育てた有機栽培・自然栽培の玄米を取り扱っています。玄米は産地や品種によって風味や食感に違いがあります。
また、
農薬や化学肥料に頼らず、土地や環境に配慮した方法で栽培された玄米を中心にラインナップしている点が特長です。
定期便だけでなく買い切りでも利用できるため、まずは少量から試したい人にも取り入れやすい点も魅力です。
なお、mybrownでは、全国各地の玄米を試せるサービスを展開しています。
おうちに届くまでどんな品種が来るかわからないワクワク感が魅力です。
手軽に美味しく食べられる「mybrown」がおすすめ

玄米は栄養価が高い一方、ぬかや胚芽に農薬が残りやすく、白米よりも残留農薬が多い傾向があります。家庭での洗浄や浸漬である程度減らせますが、完全に取り除くことは困難です。
そのため、より安心して食べたい場合は「有機JAS」や「特別栽培農産物」といった基準を満たした玄米を選ぶことが重要です。これらは農薬や化学肥料の使用を大幅に抑えて栽培されており、品質面で信頼できます。
なお、mybrownでは、全国各地の玄米を試せるサービスを展開しています。
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